愛を餌に罪は育つ
私は秘書室を出ると、足早に食堂へと向かった。
ぼーっとしてたから少し遅くなっちゃった。
梓の事だから笑顔で待っていてくれそうだけど、私は手に持った財布と携帯を落とさないようにギュッと握って急いだ。
梓からは特に朝陽の話は聞いていない。
私には話しにくい事だろうし、私が知る必要のない事だと思うから私から聞く気はない。
それにもしかしたら私が変な気を遣わなくても、二人の関係も終わっていたのかもしれない。
いつか笑い話として、思い出として梓と話ができたらいいなって思う。
「あれ?いない――」
遅かったから先に座ってるのかな?
携帯を鳴らしてみるが、呼び出し音が鳴るだけで出る気配がない。
私は電話を切り、お昼の時間で人でごった返している食事を目を凝らして見渡した。
んー人が多すぎてよく分かんない。
『美咲ちゃん?そんなに険しい顔してどうしたの?』
「加藤さん」
加藤さんとこうして顔を合わせるのは数週間ぶりだった。
もう怪我も完治しいて、目の前の加藤さんは凄く元気そうで安心した。
「梓が見当たらなくて――見掛けませんでした?」
ぼーっとしてたから少し遅くなっちゃった。
梓の事だから笑顔で待っていてくれそうだけど、私は手に持った財布と携帯を落とさないようにギュッと握って急いだ。
梓からは特に朝陽の話は聞いていない。
私には話しにくい事だろうし、私が知る必要のない事だと思うから私から聞く気はない。
それにもしかしたら私が変な気を遣わなくても、二人の関係も終わっていたのかもしれない。
いつか笑い話として、思い出として梓と話ができたらいいなって思う。
「あれ?いない――」
遅かったから先に座ってるのかな?
携帯を鳴らしてみるが、呼び出し音が鳴るだけで出る気配がない。
私は電話を切り、お昼の時間で人でごった返している食事を目を凝らして見渡した。
んー人が多すぎてよく分かんない。
『美咲ちゃん?そんなに険しい顔してどうしたの?』
「加藤さん」
加藤さんとこうして顔を合わせるのは数週間ぶりだった。
もう怪我も完治しいて、目の前の加藤さんは凄く元気そうで安心した。
「梓が見当たらなくて――見掛けませんでした?」