愛を餌に罪は育つ
当たり前かもしれないけど、私の知らないところで梓は色々調べていたんだなって思った。
私も梓に話していない事は沢山ある。
お互い様、か――。
「凄く失礼かもしれませんけど――DNAが一致しなかったなら、複数の人と関係を持っていたんじゃないんですか?」
「私たちが知っている涼ちゃんは複数の男性と交際をする様な子ではありませんでした。でも、絶対に違うとも正直言い切れません」
人は何がきっかけでどう変わるか誰にも分からない。
自分自身ですらその変化には気が付かないかもしれない。
「複数の男性と関係があるにしろ無いにしろ、涼ちゃんは友達にも梓への手紙でも朝陽さんの名前しか出していないんです」
「朝陽が一番深い関係にあったって事ですか?」
「分かりません。ただ、指輪を取ったのは美咲さんに対して酷い嫉妬心を抱いたからじゃないでしょうか――彼を心の底から愛したからこそ芽生えた感情だと思うんです」
少しの沈黙の後、私はこう答えた。
「話をしてみたかったです――妹さんと――――」
私も梓に話していない事は沢山ある。
お互い様、か――。
「凄く失礼かもしれませんけど――DNAが一致しなかったなら、複数の人と関係を持っていたんじゃないんですか?」
「私たちが知っている涼ちゃんは複数の男性と交際をする様な子ではありませんでした。でも、絶対に違うとも正直言い切れません」
人は何がきっかけでどう変わるか誰にも分からない。
自分自身ですらその変化には気が付かないかもしれない。
「複数の男性と関係があるにしろ無いにしろ、涼ちゃんは友達にも梓への手紙でも朝陽さんの名前しか出していないんです」
「朝陽が一番深い関係にあったって事ですか?」
「分かりません。ただ、指輪を取ったのは美咲さんに対して酷い嫉妬心を抱いたからじゃないでしょうか――彼を心の底から愛したからこそ芽生えた感情だと思うんです」
少しの沈黙の後、私はこう答えた。
「話をしてみたかったです――妹さんと――――」