愛を餌に罪は育つ
女湯に着き中に入ると、ホテルの中の温泉とは思えない程広々としていて、本格的な作りになっていた。


旅館にだって劣らない程素敵な温泉。


感心しながら数ある内の一つの温泉に爪先から順にゆっくりと浸った。


思わず声が漏れてしまいそうな程気持ち良かった。


檜のいい香りがする。


やっぱり秋に今は仕事なんかしないでって言えば良かった。


こんなに気持ちいいのに仕事してるなんて勿体ない。


でも秋って知らない人とこうして温泉なんて入らなさそう。


お部屋にも立派な檜風呂が付いてたし、それで済ましちゃうんだろうな。


それも気持ちいいんだろうけど、こんな解放間は味わえないだろうし、景色だってこんなに大きな窓から見渡せないもんね。


それにしても――どうしよう――――。


いつも同じベッドで寝てるけど、一泊するとなるとまた別だよね。


気持ち的に。


一人になると余計考えちゃうよ、夜の事――。






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