愛を餌に罪は育つ
夜の事を考えると、お湯で温まっている体が更に熱くなっていく。


秋はどう考えてるんだろう。


やっぱり大切に思ってくれてるからいつも通り抱きしめて眠るだけ、とか?


でもそれって本当に大切に思ってくれての事なのかな――。


私に魅力を感じないだけなんじゃ――。


いくら考えても秋が今日をどう過ごそうと思っているのかさっぱり分からない。


私はどうしたいんだろう。


秋に触れたいし触れてほしいと思う。


だけど――朝陽との事を思い出しそうで怖い。


それに男性の体を知らない――覚えてない。


秋はきっと経験豊富で関係をもった女性は私なんかよりも男性の気持ちを知っていて、色気だってムンムンだったに違いない。


お湯に浸かった自分の体を見下ろして何とも情けないため息が漏れた。


色気がない場合どこで勝負すればいいの?


自分から積極的にいけないし、秋の出方に任せよう。






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