愛を餌に罪は育つ
「ごめ――ッッ」



振り向いた秋は私の顔を上に向かせるとキスをした。


それも深くとろけるような情熱的なキス。


目を瞑る余裕はなかった。


だけど涙のせいで秋の顔は酷くぼやけていた。



「あ、きッッ――」

『すまない、今日は美咲を泣かせてばかりだ』

「私がいけないのッッ私が――」



最後まで喋る事はできなかった。


秋に押し倒され、口を塞がれてしまったから。


私は秋の顔を両手で包みこみ、更にキスを迫った。


秋の手が首筋を伝い、ゆっくりと下へ下りてくる。


浴衣の上を這うその手の動きに意識を取られそうになっていると、鎖骨に落とされた感触に一気に意識を奪われた。


浴衣の紐がほどかれ、恥ずかしさのせいかどんどん体は熱を帯びていく。


秋は何度も私の唇にキスをしながら、私の敏感な膨らみに触れる。


キスをされる度に頭がフワフワしていく。


まるで麻酔を打たれているかのように。






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