愛を餌に罪は育つ
足音がどんどん近付いてくる。
その段階でもう誰なのか分かっていた。
私は立ち上がり足音のする方へ体を向けた。
私の姿を見付けるなり、荒い息のままギュッと抱きしめてくれる秋。
お風呂上がりだったのか、少し髪の毛が濡れている。
『無事で良かった』
「心配かけてごめん、来てくれてありがとう」
秋の胸に顔を埋め、声を圧し殺して涙を流した。
秋と二人きりだったら子供のごとく声を張り上げて泣いていたかもしれない。
『翔太は――』
「今そちらの病室で眠っています。直に目を覚ますだろうとの事です」
『そうですか――あいつも無事で本当に良かった』
泣いている私の頭を撫でながら笠原さんと言葉を交わしている秋の体から、ホッとした様に力が抜けたのが分かった。
大切な後輩であり友達だもんね。
それに凄く可愛がってるみたいだし、秋にしてみたら心臓が止まってしまいそうな程の出来事だったかもしれない。
その段階でもう誰なのか分かっていた。
私は立ち上がり足音のする方へ体を向けた。
私の姿を見付けるなり、荒い息のままギュッと抱きしめてくれる秋。
お風呂上がりだったのか、少し髪の毛が濡れている。
『無事で良かった』
「心配かけてごめん、来てくれてありがとう」
秋の胸に顔を埋め、声を圧し殺して涙を流した。
秋と二人きりだったら子供のごとく声を張り上げて泣いていたかもしれない。
『翔太は――』
「今そちらの病室で眠っています。直に目を覚ますだろうとの事です」
『そうですか――あいつも無事で本当に良かった』
泣いている私の頭を撫でながら笠原さんと言葉を交わしている秋の体から、ホッとした様に力が抜けたのが分かった。
大切な後輩であり友達だもんね。
それに凄く可愛がってるみたいだし、秋にしてみたら心臓が止まってしまいそうな程の出来事だったかもしれない。