愛を餌に罪は育つ

朝陽

お昼ご飯を梓と一緒に食堂で食べていると、トレーを持った加藤さんがやってきた。



『俺も一緒にいい?』

「何今更遠慮してんのよ。気持ち悪い」

『お前相変わらずだな』



梓と加藤さんのこういうやり取りを見るのは久しぶり。


三人でこうして食堂でご飯を食べるのも。



『お前もう体大丈夫なのかよ?』

「もうすっかり元気だよ」

『体の丈夫さだけが取り柄って感じだもんな』

「うっさいよ」



笑いながらご飯を食べていたら加藤さんと目があった。



『俺彼女できたんだ』

「そうなんですか?良かったですね」



何て言えばいいのかよく分からなかった為、何となく口からそんな言葉が零れてしまった。



『まぁ良かったんだけど、美咲ちゃんにそう言われるとちょっと複雑』



苦笑いを見せる加藤さんに対して梓は大笑いしていた。


せめて私の周りにいる人たちには幸せになってもらいたい。






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