愛を餌に罪は育つ
またしても向き合って膝の上という恥ずかしいこの体制。


今日は私何もやらかしてないんだけど――。



「ここ――会社、だよ?」

『知ってる。恥ずかしい?』

「恥ずかしいに決まってるっ!!家の時より恥ずかしさ割り増しだよっ!!」



ハハって――。


私の事が好きでからかってるんじゃなくて、ただのストレス解消法なんじゃないかと思ってしまう。


腰をグッと抱かれ、唇が重なった。


秋に応える様に唇を開き舌を絡ませる。


こんなところで――そう思いながらも止められなかった。


それどころか秋の首に腕を回し体を更に密着させた。



『目がトロンとしてる』

「もうっ!!人が来たらどうするのっ!?」



親指を滑らせるように私の唇をなぞる仕草に心臓が更に暴れ始める。



『鍵閉めてるから平気』



い、いつの間に!?


って事は最初からそのつもりだったって事!?






< 322 / 390 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop