愛を餌に罪は育つ
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俺は今まで欲しいと思った物を全て手に入れてきた。


今回も同じことだ。


いつもカメラ越しに見ていた彼女をやっと手にいれた。


美咲の実家には常に母親が居た為、カメラは野坂 朝陽のマンションにしか取り付ける事が出来なかった。


その時に俺以外の人間がカメラを取り付けている事に気が付いた。


まさか顔を合わせる事になるとはな。


それにしてもあの男、いったいどうやって美咲の部屋にカメラを――。



『いけすかないのはお互い様だ』



何かに対してここまで苛つき胃がムカつくのは初めてだ。


電話が鳴り、画面を見た瞬間笑みが溢れてしまった。



『はい』

「中々帰ってこないから心配で――」

『すまない。少し書類を整理して帰るつもりが今抱えている案件に没頭してしまってね。今から帰るよ』

「もう秋ったら。ちょっと目を離すとこれなんだから。気を付けて帰ってきてね」

『あぁ、いい子にして待っててくれ』



電話を切った後も緩んだ顔は暫く治まらなかった。


美咲は誰にも渡さない。


死ぬまで俺のものだ。






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