愛を餌に罪は育つ
食事が進むにつれお酒もどんどん進んでいく。


梓は見かけによらず意外とお酒が強いんだなと思った。



「仕事はどう?」

「どうって、普通だよ?まだ失敗することはあるけど、段々減ってきたと思う」

「そっか、なら良かった。困った事とかはない?」

「ん~今は特に思い浮かばない」



私の返答に満足そうな顔をしてお酒を飲む梓。


ふと入社した日の事を思い出した。


女性社員から嫌がらせを受けるかもしれないと思っていたけど、特に誰からも嫌がらせをされることはなく、なんだかんだ言って日々平和に過ごしている。


嫌がらせをされてるのに気付いてないって事はないと思う。



「私の前に副社長の秘書をしてた人はどうだったの?その――嫌がらせとかされてたりしたの?」



みんないい大人だし、嫌がらせなんて事はしないと思うけど少しだけ不安が芽生えついそんな事を聞いてしまった。


もしかしたら私自身、今まで嫌がらせなり意地悪なりされていたことはあるかもしれない。


だけど、記憶がないせいかあまりピンとこなかった。






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