愛を餌に罪は育つ
サイレン
社員用の食堂はいつも込んでいる。
いつも来る時間帯がお昼時だからしょうがないことなんだろうけれど。
「私も焼き魚定食にすれば良かった~」
「オムライスも美味しそうだけど――」
「オムライスは外れだったみたい」
社食は安いし種類も豊富だから利用する人が多い。
だけど味には当たり外れがあるため、外れを選んでしまった梓は隣で落ち込み気味だ。
「金曜日は置いて帰っちゃってごめんね。あの後大丈夫だった?」
「気にしないで。宮沢さんもそのお友達もみんな良い人たちで、楽しかったし結局朝まで一緒に飲んじゃった」
「そうなの!?でも楽しかったなら良かった」
「美咲の方こそ大丈夫だった?間に合ったの?」
「ギリギリね。走って帰って何とか五分前に帰りついたよ」
そんな話をしていると、頭上から声がして私たちは同時に頭を上げた。
そこには営業の加藤さんたちがトレーを持って立っていた。
『ここ空いてる?』
「空いてるよ」
加藤さんたちは『助かったよ~』と言いながら私たちの前の席に腰を下ろした。
加藤さんのトレーにはオムライスがのっていて、それを見た梓は笑いたい衝動を頑張って堪えていた。
いつも来る時間帯がお昼時だからしょうがないことなんだろうけれど。
「私も焼き魚定食にすれば良かった~」
「オムライスも美味しそうだけど――」
「オムライスは外れだったみたい」
社食は安いし種類も豊富だから利用する人が多い。
だけど味には当たり外れがあるため、外れを選んでしまった梓は隣で落ち込み気味だ。
「金曜日は置いて帰っちゃってごめんね。あの後大丈夫だった?」
「気にしないで。宮沢さんもそのお友達もみんな良い人たちで、楽しかったし結局朝まで一緒に飲んじゃった」
「そうなの!?でも楽しかったなら良かった」
「美咲の方こそ大丈夫だった?間に合ったの?」
「ギリギリね。走って帰って何とか五分前に帰りついたよ」
そんな話をしていると、頭上から声がして私たちは同時に頭を上げた。
そこには営業の加藤さんたちがトレーを持って立っていた。
『ここ空いてる?』
「空いてるよ」
加藤さんたちは『助かったよ~』と言いながら私たちの前の席に腰を下ろした。
加藤さんのトレーにはオムライスがのっていて、それを見た梓は笑いたい衝動を頑張って堪えていた。