愛を餌に罪は育つ
二人の様子を笑ってみていると、加藤さんと目が合い咄嗟に目を逸らしてしまった。


加藤さんの笑い声が聞こえてくる。


恥ずかしさを誤魔化すために私は水を飲もうとグラスに手を掛けた。



『今度の飲み会梓と美咲ちゃんも参加するの？』

「私は参加するけど、美咲はどうする？」

「飲み会って？」

「ごめん、まだ話してなかったね」



首を傾げた私に梓が説明してくれた。


飲み会は大体部署ごとに行われることが多いが、定期的に部署など関係なく集まって飲み会を開いているらしい。


その時々によって集まる人数は違うとの事。



「私も参加しちゃっていいのかな？」

「いいに決まってるじゃん！！秘書課からはいつも増田さんが参加してるよ。他の秘書の人は来たり来なかったりかな」

『美咲ちゃんも参加しなよ。みんな喜ぶよ、絶対』

「あんたが来て欲しいだけでしょ。いやらしい奴」

『梓はちょっと黙ってろよな』



入社した時に秘書課で歓迎会を開いてくれて、その時以来会社の人たちと飲む機会はなかった。


他の部署の人と接する事も中々ないし、いい機会かもしれない。



「あの、私も参加させて下さい」

『オッケイ。参加者のところに名前加えておくね』



加藤さんの言葉に私は笑顔で頷いた。






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