愛を餌に罪は育つ
案の定体はぶつかってしまい体に衝撃が走った。


だけどそれは予想していたよりも固くて驚いた。


固いのに痛みはない。


恐る恐る目を開くと目の前にはソファーがあり、顔を横に向けるとネクタイの結び目が見えた。



『無理はしないほうがいい』



落ち着いた低い声が耳に触れ、私の顔は一気に熱を帯びていく。



「す、すみません!!あのッッすぐに退きますからッッ」



慌てて離れようとする私を制して副社長がエスコートするかのようにソファーに座らせてくれた。


そして床に落ちているブランケットを拾うとそっと膝にかけてくれた。


恥ずかしくて副社長の顔が見れない。


きっと顔はこれでもかというくらい真っ赤になっていると思う。


私の斜め前にある一人掛けソファーに腰かけた副社長は、長い足を組むと声をかけてきた。






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