愛を餌に罪は育つ
ボーッと外を眺めていると急に車が止まり、やけに早く着いたなと思ったらそこはマンションではなくコンビニだった。
『少し待っていてくれ』
「はい」
普段煙草を吸う副社長が車の中で一本も吸っていないのは私に遠慮しているのかと思ってたけど、ただ単に煙草が切れていただけなのかもしれない。
コンビニに入った副社長は数分もしない内にお店から出てきた。
歩きながらネクタイを軽く緩める仕草に、少し――ほんの少しだけ胸が高鳴ったような気がした。
車に乗り込んだ副社長からペットボトルの水を差し出され、私は少し戸惑った。
『水を飲めば少しは気分が良くなるかもしれない』
「すみません――ありがとう、ございます」
『礼を言われる程の事はしていない』
「そんな事ありません。お気遣い頂いてありがとうございます」
副社長は微笑み、手に持っている缶コーヒーを口に運んだ。
私もいただきますと言って水を一口飲んだ。
水を飲み込むだけなのに、副社長に見られているような気がして恥ずかしくて凄く緊張した。
マンションに向かう車の中で私はそのペットボトルをずっと握りしめていた。
『少し待っていてくれ』
「はい」
普段煙草を吸う副社長が車の中で一本も吸っていないのは私に遠慮しているのかと思ってたけど、ただ単に煙草が切れていただけなのかもしれない。
コンビニに入った副社長は数分もしない内にお店から出てきた。
歩きながらネクタイを軽く緩める仕草に、少し――ほんの少しだけ胸が高鳴ったような気がした。
車に乗り込んだ副社長からペットボトルの水を差し出され、私は少し戸惑った。
『水を飲めば少しは気分が良くなるかもしれない』
「すみません――ありがとう、ございます」
『礼を言われる程の事はしていない』
「そんな事ありません。お気遣い頂いてありがとうございます」
副社長は微笑み、手に持っている缶コーヒーを口に運んだ。
私もいただきますと言って水を一口飲んだ。
水を飲み込むだけなのに、副社長に見られているような気がして恥ずかしくて凄く緊張した。
マンションに向かう車の中で私はそのペットボトルをずっと握りしめていた。