愛を餌に罪は育つ
*****



今日の飲み会の幹事が予約してくれたお店に梓と二人でやってきた。


ちらほら人も来ていてまだこれから集まるところではあるが、場所は広く取ってあるようでどれだけ大人数な飲み会なのかが分かる。



「座ろう」

「うん」



混雑していても直ぐに出られるように、私たちは端の方に座った。


梓は私に気をつかってくれたのか、隣には誰も座れないよう端っこに座らせてくれた。



「私が端っこでいいの?」

「その方があまり絡まれなくて済むし、少しは気が楽でしょ?」

「ありがとう。でも、加藤さん――」

「いいのいいの、気にしなくて。へこたれず絡んでくるわよ」



それもそうかと思い、妙に納得してしまった。


まだ集まりきれていないようで、梓とは他愛もない話をしていた。


すると目の前の数人の女性が立ち声をかけてきた。



「ここ空いてる?」

「うん、空いてるよ」



女性陣は良かったと言いながら腰掛けた。


みんな顔は知ってるけど、どこの部署だとか名前までは分からない。






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