10年越しの恋
月曜から金曜日まではほぼ毎日語学研修が組まれていた。
初日に集まった集会所のような所で地元ボランティアやホストファミリーが日常会話を教えてくれる。
そんな中、グループとは別に翌日からニックの働く病院で見学と研修を始めた。
ダウンダウンから1時間ほど南下した町では一番大きな大学病院。
広大な敷地に点在する建物の中で一番端に位置する小児病棟。さまざまなガンや心臓病といった重症患者を診る中核施設だ。
1週間は医師やベテラン看護師によるボランティア養成講座を受講し、その後病棟での実践へと移る。
予想以上に医学の専門用語に苦労し、他の参加者と顔を合わす時間がない程忙しい毎日を過ごした。
こちらへ来てから初めての週末も、ニックに助けてもらいながらリビングでテキストに読みふけっていた。
♪プルルル♪
着信にミカが音のする方へと急ぐ。
「ハロー?」不思議な表情のまま受話器をケイトへと渡す。
改めて相手を確認し「OK」そう答えると優しい表情で私にコードレスの電話を持ってきてくれた。
「I think from your boyfriend!」
「もしもし?」
「瀬名!!! 緊張した!!! 俺、雅紀」
「えっ? まあちゃん?」
「うん、今日葉書届いたよ。電話番号書いてあったから海外用のテレカ買ったんだ。でも焦ったよ。英語なの忘れてた」
「びっくりしたよ~。元気?」
国際電話独特の途切れる感じに距離を感じる。
「うん、元気だよ! 瀬名は?」
「思ったより研修が大変で。でもホストがお医者さんだから助けてもらいながらがんばってるよ」
「そっか…。瀬名! ありえない早さでテレカ減っていくから、また電話するね」
「愛してるよ」
そう言って電話が切れた。
Thank you! そう電話を返すと、恋愛に敏感な年ごろのブライアンがうれしそうに聞いてきた。
「セナの彼氏!? どんな人?」
「3歳年下の人だよ」
「マミー!! 年下だって!!!」
その反応に家族中が明るく笑う。
「ねぇ、もうキスはした?」
興味深々のブライアンに笑ってみせると、
「したんだって!!!」と大騒ぎだった。
初日に集まった集会所のような所で地元ボランティアやホストファミリーが日常会話を教えてくれる。
そんな中、グループとは別に翌日からニックの働く病院で見学と研修を始めた。
ダウンダウンから1時間ほど南下した町では一番大きな大学病院。
広大な敷地に点在する建物の中で一番端に位置する小児病棟。さまざまなガンや心臓病といった重症患者を診る中核施設だ。
1週間は医師やベテラン看護師によるボランティア養成講座を受講し、その後病棟での実践へと移る。
予想以上に医学の専門用語に苦労し、他の参加者と顔を合わす時間がない程忙しい毎日を過ごした。
こちらへ来てから初めての週末も、ニックに助けてもらいながらリビングでテキストに読みふけっていた。
♪プルルル♪
着信にミカが音のする方へと急ぐ。
「ハロー?」不思議な表情のまま受話器をケイトへと渡す。
改めて相手を確認し「OK」そう答えると優しい表情で私にコードレスの電話を持ってきてくれた。
「I think from your boyfriend!」
「もしもし?」
「瀬名!!! 緊張した!!! 俺、雅紀」
「えっ? まあちゃん?」
「うん、今日葉書届いたよ。電話番号書いてあったから海外用のテレカ買ったんだ。でも焦ったよ。英語なの忘れてた」
「びっくりしたよ~。元気?」
国際電話独特の途切れる感じに距離を感じる。
「うん、元気だよ! 瀬名は?」
「思ったより研修が大変で。でもホストがお医者さんだから助けてもらいながらがんばってるよ」
「そっか…。瀬名! ありえない早さでテレカ減っていくから、また電話するね」
「愛してるよ」
そう言って電話が切れた。
Thank you! そう電話を返すと、恋愛に敏感な年ごろのブライアンがうれしそうに聞いてきた。
「セナの彼氏!? どんな人?」
「3歳年下の人だよ」
「マミー!! 年下だって!!!」
その反応に家族中が明るく笑う。
「ねぇ、もうキスはした?」
興味深々のブライアンに笑ってみせると、
「したんだって!!!」と大騒ぎだった。