10年越しの恋
ホームステイ最終日。

明日からはサンフランシスコ、ラスベガスを巡る観光が始まる。

集会所に各家庭が料理を持ち寄りさよならパーティーが開かれた。私もキッチンを借りちらし寿司を作った。

そして日本から持参した浴衣をミカに着付けて会場へと向かう。

各自この1ヵ月を振り返るように家族や仲良くなった人たちと談笑していた。

「セナ!」ケイトだ。その隣には浴衣をきてはしゃぐミカの姿がある。

「1か月間本当にありがとうございました」

「私たちの方こそ、とても楽しかった。これ受け取って」

差し出された箱を開くと、メキシコで私がずっと眺めていたバングルがあった。

「これから先、何か辛いことがあったらこれを見て私たちを思い出してくれたらいいなと思って」

誕生石のターコイズがはめ込まれたシンプルなデザイン。

先住民ナバホ族出身のアーティストの作品だ。

「ケイト!! ありがとう]

思いっきりハグをした。もちろんミカにも。

「夢、応援してるからね」

「セナの作ったスシも美味しかったよ」

そんな家族とたくさんの写真を撮り、思い出を形に残した。
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