10年越しの恋
出発の朝

滞在中、私が一番喜んだ朝ごはんをケイトが作ってくれた。

”ズッキーニ入りパンケーキとカリカリベーコン”

食べているとミカとブライアンが小さなアルバムを差し出す。

『これ、your boyfriend, 雅紀に見せて』

開くとたくさんの楽しい風景があった。

「ありがとう、これ見せながらいっぱい報告する」

満足そうな二人があり得ない重さの荷物を外へ運んでくれた。

「セナ、時間だよ」みんなで集合場所へと向かった。

さようならの時間。

「じゃあ、元気で。また何かあったら相談のるよ」

ニックだ。ケイト、ブライアン、ミカが続いて握手とハグをくれる。

「本当にありがとうございました。あと、ニック…。これ未来ちゃんの墓前に供えてください」

病棟のみんなで撮った写真とちいさなテディベアーのぬいぐるみを手渡した。

ニックは小さく頷き、受け取った。

もう一度ハグを交わしバスへと乗り込む。

車窓から見えなくなるまで手を振りさよならを告げた。

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