10年越しの恋
飛行機は18時に日本へ到着する予定。

長かったアメリカ滞在の疲れに飛び立つ前から熟睡し、着陸の轟音に目が覚めた。

入国審査でパスポートに日付のスタンプをもらい、自動ドアを抜ける。

たくさんの出迎える人の中、すぐに目に入った。

「まあちゃん!」

大きな荷物を乗せたカートを押しながら駆け寄る。
私の声に慌ててベンチから立ち上がった。

「瀬名ー お帰り!!!」

荷物もそっちのけでぎゅうっとハグする。

「瀬名さんー。なんか別人みたい!!」

続いて出てきた智ちゃんと潤くんが冷やかす。

照れ笑いを浮かべると、「じゃあ、写真送りますね」そう言って二人で帰って行った。

「俺らも行こう」

カートを押す雅紀の左手を握る。
久しぶりのぬくもりに帰ってきた実感が湧いた。

「どうしたの? 珍しいね、自分から手つなぐの」

聞こえていたけど…。

『会いたかった』

そう心でつぶやき「まあちゃん、お寿司食べたい!」

そう言って、弾むように駐車場へと歩いた。

「瀬名ー 荷物あるんだから! もう少しゆっくり歩いて!」そんな雅紀の声が響いた。
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