10年越しの恋
数日が経った頃、明日俺の家に来てくれる? そんなメールが届いた。

話が一段落ついたから二人でって。

メールの最後に、

”緊張して眠れないだろうからドライブに行こう”

雅紀らしい心づかいだった。


いつもの公園に面する場所で待ち合わせ。

めずらしくゆるいラインのワンピースを着た私に雅紀はびっくりした様子。


「なんかまだ全然お腹大きくなってないのに苦しくって」


着なれない洋服に落ち着かずにいると、


「そんな瀬名もいいんじゃない、俺は好きだよ」


安心させるように笑顔でドアを開けてくれた。

車内には心地いい音量で音楽が流れる。


「気分が悪くなったらすぐに言ってね」


運転席から私の座る座席を少し倒し気味にセットしてくれた。


「こんな夜のドライブなんて久しぶりだね」


「初めての3人で行くドライブ!」


楽しそうに車を発進させた。

金曜日の高速にはたくさんの車が行きかう。

夜景と次々に流れて行くテールランプを眺めた。


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