10年越しの恋
正午 T駅に到着。彼の社員寮がある町までは車で数十分らしい。緑が多くてのどかな感じ。
T駅から浩一の寮の最寄り駅へ向かう電車は1時間に2本。2本!!
ありえない…。
でも、雅紀が一緒なら楽しく待てるかも… なんて。
「お待たせ。すっごい田舎でしょ。体調は? まだ熱はあるの?」
「うん。微熱までには下がってるけどね…。昨日熱高かったからちょっと体だるいかも…。でも大丈夫」
久しぶりの浩一。社会人になって少し顔が締まったかな?
でも、悲しいな…。ときめかないんだ。
会えてうれしい? 自分に問い掛けてみる。
人はどうして違う人にときめくと、大好きだった人が
こんなにも色褪せてみえるんだろ。
そんなことを考えながら寮へ向かった。
「お前体調悪いみたいだからさ、今日朝からシチュー作ってみた。だか今日は外食じゃなくって部屋で食べよ」
私を思って、大好きなシチューを作ってくれた浩一。
不器用で人を傷つけてばかりの浩一。
ごめんね。私はあなたにさよならを言いに来た。
車窓から見える山や海が泣きそうになる私を癒してくれたんだ。
夜、マナーにした携帯がカバンの中で震え呼び出しを知らせ続ける。
雅紀からの電話なのは分かっていた。
でも、けじめをつけることができていない罪悪感に出ることができなかった。
T駅から浩一の寮の最寄り駅へ向かう電車は1時間に2本。2本!!
ありえない…。
でも、雅紀が一緒なら楽しく待てるかも… なんて。
「お待たせ。すっごい田舎でしょ。体調は? まだ熱はあるの?」
「うん。微熱までには下がってるけどね…。昨日熱高かったからちょっと体だるいかも…。でも大丈夫」
久しぶりの浩一。社会人になって少し顔が締まったかな?
でも、悲しいな…。ときめかないんだ。
会えてうれしい? 自分に問い掛けてみる。
人はどうして違う人にときめくと、大好きだった人が
こんなにも色褪せてみえるんだろ。
そんなことを考えながら寮へ向かった。
「お前体調悪いみたいだからさ、今日朝からシチュー作ってみた。だか今日は外食じゃなくって部屋で食べよ」
私を思って、大好きなシチューを作ってくれた浩一。
不器用で人を傷つけてばかりの浩一。
ごめんね。私はあなたにさよならを言いに来た。
車窓から見える山や海が泣きそうになる私を癒してくれたんだ。
夜、マナーにした携帯がカバンの中で震え呼び出しを知らせ続ける。
雅紀からの電話なのは分かっていた。
でも、けじめをつけることができていない罪悪感に出ることができなかった。