10年越しの恋
次の朝 携帯の振動音で目が覚めた。

ゆうからの着信。休日の早朝。

何かあったのかな? なんてのんきにコールバック。

「おはよ~ ゆう。どうしたのこんな朝早く?」

「どうしたの? じゃないよ。雅紀が何度電話しても瀬名と連絡が取れないって。夜中ずっと電話してきて大変だったんだよ」

「ごめん…」

「瀬名、今どこにいるの? もしかして浩一さんとこ」

「ごめん…。そうなんだ」

「も~ あんたさ~ なんで言って行かないの。ちゃんと話してくれてたら上手くごまかせたのに」

「ごめん。迷惑かけてごめん」

「そうじゃなくってさ~。で、どうする? なんて話す?」

「ゆう… わたしさ、中途半端は良くないって思ってね、だから最後に会って話そうって。でもこんな自分がすごい嫌で、だから黙ってた。雅紀にも誤解されたくなかったから…」

「わかるよ。でもね、雅紀くんなんかあったんじゃないかって、昨日からみんなに連絡して瀬名のこと探してるから。だから電話してあげて」

「わかった…。ごめんね、ゆう」

「私はいいから。ちゃんと雅紀くんに電話してあげて」


まだ寝ている浩一。私は外に出て雅紀に電話した。

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