10年越しの恋
ねぇ 雅紀、覚えてますか?

17歳のあなたと20歳だった私が初めて会ったあの日を。

二人で歩いた雅紀の家へ向かう坂道。

大好きだった防波堤から見える朝日。

いつもの別れ際のキス。

何度も何度も「愛してる」そう言ってくれたね。

私は生まれて初めて本当の恋に出会った気がしたよ。

そしてそれは本物の恋だった。

あなたと過ごした10年間。

それは楽しいだけの日々ではなかった。

でもね、あなたに出会って私は生きることの意味。

自分の弱さ、人を信じぬくことの難しさを知ったんだ。


そして命の大切さも。

私の弱さでたくさん傷つけてごめんね。

いまならわかる。あなたを信じるべきだったこと。

あなたがどれだけ私を愛してくれていたかを。

だから10年経った今も、私はあなたに恋しているのです。
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