10年越しの恋
~さや・ゆう・雅紀~
「瀬名! そんなつもりで言ったんじゃないの」
そんな私の言葉に一瞬振り返ったように見えたけど、そのままタクシーに乗り込む後ろ姿を見送った。
たった3ヶ月会わなかっただけなのにこんなことになっていたなんて。
店に戻った私は半分以上ボトルに残っていたワインを煽るように飲んだ。
何度掛けても繋がらない電話。
酔った頭でも瀬名を放っておいてはいけないことが分かる。
携帯を手にアドレス帳をスクロールして雅紀君へと電話を掛けた。
「今どこにいる?」
「どうしたの?」
「君のお姉さん… 最低だね」
私はわざと少し離れたあの女に聞こえるように話した。
「さやさんごめん、瀬名の家行ってみる」
「なんかあったら許さないからね」
そう言ったものの自分の責任も感じた。
他に誰かいないかと考えを巡らせていると一人の顔が浮かぶ。
一番近くに住むゆうに連絡した方がいいって直観的に感じて電話を掛けた。
「遅くにごめん」
私は簡潔に事情を説明する。
「ゆうは知ってたの?」
「うん、でも止められなかった」
「そうなんだ…… 私… 瀬名を傷つけた」
「心配しないで。とりあえず家見に行ってくるね」
「お願い、すぐ連絡してね」
「瀬名! そんなつもりで言ったんじゃないの」
そんな私の言葉に一瞬振り返ったように見えたけど、そのままタクシーに乗り込む後ろ姿を見送った。
たった3ヶ月会わなかっただけなのにこんなことになっていたなんて。
店に戻った私は半分以上ボトルに残っていたワインを煽るように飲んだ。
何度掛けても繋がらない電話。
酔った頭でも瀬名を放っておいてはいけないことが分かる。
携帯を手にアドレス帳をスクロールして雅紀君へと電話を掛けた。
「今どこにいる?」
「どうしたの?」
「君のお姉さん… 最低だね」
私はわざと少し離れたあの女に聞こえるように話した。
「さやさんごめん、瀬名の家行ってみる」
「なんかあったら許さないからね」
そう言ったものの自分の責任も感じた。
他に誰かいないかと考えを巡らせていると一人の顔が浮かぶ。
一番近くに住むゆうに連絡した方がいいって直観的に感じて電話を掛けた。
「遅くにごめん」
私は簡潔に事情を説明する。
「ゆうは知ってたの?」
「うん、でも止められなかった」
「そうなんだ…… 私… 瀬名を傷つけた」
「心配しないで。とりあえず家見に行ってくるね」
「お願い、すぐ連絡してね」