10年越しの恋
「雅紀、迎えに来て」
「はあ? なんで俺が行かなきゃなんないの?」
「私が困ってるって言ってるんだから来て」
一方的な命令口調と甲高い声に怒りが爆発した。
あんたが困ってたって俺には何の関係もない。
何か不都合な問題があったって自業自得だと思った。
「絶対行かねぇから」
そうして勢いよく切った電話がすぐに鳴る。
「なんだよ!」
「もしもし雅紀君? さや」
「えっ、あっ、ごめん、どうしたの?」
「いいからお姉さん迎えにおいでよ。面白いものが見られるよ」
まったく話しの展開が理解できない。
姉貴とさやさんが一緒にいる、それで……。
いつものように冷静に状況を分析しようとしてみても全く訳がわからないままだ。
「雅紀君行ってみたら」
「ゆうさんこれってどういうことなんですか?」
「いいから行っておいで。きっと今雅紀君と瀬名が抱えてるもやもやした気持ちをさやが晴らしてくれてるから」
「でも瀬名が……」
私に任せておいてと言うゆうさんの言葉に素直に頷いた。
「なにか知ってるんですか?」
そんな俺の問いかけに笑顔で首を振る。
車を運転しながらも頭の中はこの訳の分からない展開にかき乱されっぱなしだったが、ナビに導かれるまま指定された店へと向かった。
”いったい何が起こってるんだよ”
そう思いながら適当に見つけた駐車場に車を止めて大通りから一筋入った所にあるというそのレストランに歩を進めると、めずらしくカラッとしたさわやかな風が吹く夏の空の元でさやさんがワイングラスを手に待っていてくれた。
「はあ? なんで俺が行かなきゃなんないの?」
「私が困ってるって言ってるんだから来て」
一方的な命令口調と甲高い声に怒りが爆発した。
あんたが困ってたって俺には何の関係もない。
何か不都合な問題があったって自業自得だと思った。
「絶対行かねぇから」
そうして勢いよく切った電話がすぐに鳴る。
「なんだよ!」
「もしもし雅紀君? さや」
「えっ、あっ、ごめん、どうしたの?」
「いいからお姉さん迎えにおいでよ。面白いものが見られるよ」
まったく話しの展開が理解できない。
姉貴とさやさんが一緒にいる、それで……。
いつものように冷静に状況を分析しようとしてみても全く訳がわからないままだ。
「雅紀君行ってみたら」
「ゆうさんこれってどういうことなんですか?」
「いいから行っておいで。きっと今雅紀君と瀬名が抱えてるもやもやした気持ちをさやが晴らしてくれてるから」
「でも瀬名が……」
私に任せておいてと言うゆうさんの言葉に素直に頷いた。
「なにか知ってるんですか?」
そんな俺の問いかけに笑顔で首を振る。
車を運転しながらも頭の中はこの訳の分からない展開にかき乱されっぱなしだったが、ナビに導かれるまま指定された店へと向かった。
”いったい何が起こってるんだよ”
そう思いながら適当に見つけた駐車場に車を止めて大通りから一筋入った所にあるというそのレストランに歩を進めると、めずらしくカラッとしたさわやかな風が吹く夏の空の元でさやさんがワイングラスを手に待っていてくれた。