10年越しの恋
「岩堀さん! 今週土曜日空けておいてよ」
入社して2週目の週末に同じ部署の男の子達が歓迎会を企画してくれた。
「11時ですよね?」
「おう! じゃあ行ってきます」
ミスを連発する私をみんなが暖かく見守ってくれたお陰で想像以上に仕事を楽しむことができるように成り始めていた。
かなり年上の経理のおばさんが1人と営業部に中島さんという5つほど年上の女の人がいる以外全員が男性社員だったので会社帰りに遊びに行くなんてことは皆無だったけど、あまり人付き合いが得意ではない私にはそれも好都合だった。
遅くても5時半には仕事を終えて家に帰る。
夜にはHPのチェックと更新をするのが毎日の日課だった。
付き合って5年目を迎えても会えない日の10時に掛ってくる電話は変わらない。
「段々アクセス増えてきてるね」
順調に人気が出てきたHPが主な話題だった。
「そうそう今週の土曜日会社で歓迎会のBBQなんだ」
何気なく報告すると雅紀の声が曇る。
「瀬名の部署って男ばっかりなんでしょ」
「でも辞めた三井さんも来るみたいだし……」
「なんかやだな」
あの日以来驚くほど束縛が激しくなった雅紀。
私がどんな思いで仕事を始めたのかわかってるの? そんな風に問い詰めたくなる気持ちを押し殺した。
雅紀の不安を理解してあげないといけないそう思った。
あの日以来雅紀を拒み続けている負い目があったから……。
「私だってせっかくの週末だからまあちゃんに会いたいよ。でもこういうお付き合いも大切かなって」
まだ不満そうなのを夕方BBQの後に会うことを条件に納得してもらった。
「じゃあ明日も早いから寝るね」
「分かった。瀬名、愛してるよ」
「ありがとう」
変わらない言葉を交わして電話を切った。
入社して2週目の週末に同じ部署の男の子達が歓迎会を企画してくれた。
「11時ですよね?」
「おう! じゃあ行ってきます」
ミスを連発する私をみんなが暖かく見守ってくれたお陰で想像以上に仕事を楽しむことができるように成り始めていた。
かなり年上の経理のおばさんが1人と営業部に中島さんという5つほど年上の女の人がいる以外全員が男性社員だったので会社帰りに遊びに行くなんてことは皆無だったけど、あまり人付き合いが得意ではない私にはそれも好都合だった。
遅くても5時半には仕事を終えて家に帰る。
夜にはHPのチェックと更新をするのが毎日の日課だった。
付き合って5年目を迎えても会えない日の10時に掛ってくる電話は変わらない。
「段々アクセス増えてきてるね」
順調に人気が出てきたHPが主な話題だった。
「そうそう今週の土曜日会社で歓迎会のBBQなんだ」
何気なく報告すると雅紀の声が曇る。
「瀬名の部署って男ばっかりなんでしょ」
「でも辞めた三井さんも来るみたいだし……」
「なんかやだな」
あの日以来驚くほど束縛が激しくなった雅紀。
私がどんな思いで仕事を始めたのかわかってるの? そんな風に問い詰めたくなる気持ちを押し殺した。
雅紀の不安を理解してあげないといけないそう思った。
あの日以来雅紀を拒み続けている負い目があったから……。
「私だってせっかくの週末だからまあちゃんに会いたいよ。でもこういうお付き合いも大切かなって」
まだ不満そうなのを夕方BBQの後に会うことを条件に納得してもらった。
「じゃあ明日も早いから寝るね」
「分かった。瀬名、愛してるよ」
「ありがとう」
変わらない言葉を交わして電話を切った。