10年越しの恋
変わることなく続く毎日の生活に咲が登場したことは大きかった。
週に1、2度会社帰りに会って夕飯を食べたり飲みに出掛けたりするようになり、私たちは驚くほど仲良くなった。
過去を知らない咲との会話の中では雅紀ともただの幸せなカップルでいられる。
自分を消し目の前にある書類を機械的に処理していく1日を終えた後に会うと、注文した料理に手をつけるのも忘れて話続け、笑い転げた。
「会社の先輩にちょっといい人がいるんだ」
「どんな人なの? 会ってみたい!」
「じゃあ今度一緒にご飯行こうよ。瀬名の意見も聞きたいし」
「私の意見?」
「なんか自分の判断だけじゃ不安だし、社内恋愛になるから同期に話すのも面倒だしさ」
確かに会社での男女の噂は信じられないスピードで広がる。
だから付き合う以前に社内の人に話すなんてもってのほかだと咲は言った。
「3人だと微妙に気まずいからもう一人連れて行くし」
咲の勢いに押されて後日予定を合わせて会う約束をした。
週に1、2度会社帰りに会って夕飯を食べたり飲みに出掛けたりするようになり、私たちは驚くほど仲良くなった。
過去を知らない咲との会話の中では雅紀ともただの幸せなカップルでいられる。
自分を消し目の前にある書類を機械的に処理していく1日を終えた後に会うと、注文した料理に手をつけるのも忘れて話続け、笑い転げた。
「会社の先輩にちょっといい人がいるんだ」
「どんな人なの? 会ってみたい!」
「じゃあ今度一緒にご飯行こうよ。瀬名の意見も聞きたいし」
「私の意見?」
「なんか自分の判断だけじゃ不安だし、社内恋愛になるから同期に話すのも面倒だしさ」
確かに会社での男女の噂は信じられないスピードで広がる。
だから付き合う以前に社内の人に話すなんてもってのほかだと咲は言った。
「3人だと微妙に気まずいからもう一人連れて行くし」
咲の勢いに押されて後日予定を合わせて会う約束をした。