10年越しの恋
雅紀の誕生日から2週間後の金曜日に咲と約束した食事会が決定した。
とりあえず夜には咲に会えると1日楽しい気持ちで仕事をこなす。
定時終わりを決め込んでいた最後に取引先から請求書が届いていないことが分かって約束の時間ぎりぎりに会社を出た。
待ち合わせはおじさん仕様の居酒屋ばかりのこの場所で唯一おしゃれな雰囲気のハワイアン料理を出すレストラン。
10分の距離を金曜日の人混みを縫うように走った。
入口で予約してくれた咲の名前を告げると奥の個室のように仕切られた席に案内された。
「お待たせ、遅くなってごめんね」
一番手前に座る咲に声を掛けると、
「お疲れ様!」
仕事終わりなのに明るい表情を見せる咲に笑顔を返した。
そして視線を外し、目の前に座る二人の男性に目を向ける。
「はじめまして、大沢です」
咲が気になるという彼と挨拶を交わす。
がっちりとした体格で決して男前とは言えないが人の良さそうな感じが伝わってきた。
「それでこいつが後輩の松本。ほらお前も挨拶ぐらいしろよ」
「あっ、すいません」
先輩に即されるようにメニューから目を上げたその顔は…。
「ケン!!!」
「もしかして瀬名ちゃん???」
偶然が偶然を呼ぶ形での再会だった。
とりあえず夜には咲に会えると1日楽しい気持ちで仕事をこなす。
定時終わりを決め込んでいた最後に取引先から請求書が届いていないことが分かって約束の時間ぎりぎりに会社を出た。
待ち合わせはおじさん仕様の居酒屋ばかりのこの場所で唯一おしゃれな雰囲気のハワイアン料理を出すレストラン。
10分の距離を金曜日の人混みを縫うように走った。
入口で予約してくれた咲の名前を告げると奥の個室のように仕切られた席に案内された。
「お待たせ、遅くなってごめんね」
一番手前に座る咲に声を掛けると、
「お疲れ様!」
仕事終わりなのに明るい表情を見せる咲に笑顔を返した。
そして視線を外し、目の前に座る二人の男性に目を向ける。
「はじめまして、大沢です」
咲が気になるという彼と挨拶を交わす。
がっちりとした体格で決して男前とは言えないが人の良さそうな感じが伝わってきた。
「それでこいつが後輩の松本。ほらお前も挨拶ぐらいしろよ」
「あっ、すいません」
先輩に即されるようにメニューから目を上げたその顔は…。
「ケン!!!」
「もしかして瀬名ちゃん???」
偶然が偶然を呼ぶ形での再会だった。