10年越しの恋
泣き顔を見られたくなくて顔を窓の外へと向ける。
昼間はいつも込み合っているこの道もこの時間になると数える程の車しか走っていない。
普段は喧騒が溢れているビル街もこの時間だけはゴーストタウンのようで、人々から忘れ去られた体温が感じられない世界に見えた。
そんな景色にふと自分だけが世の中から取り残され隔絶されているような圧倒的な孤独感に苛まれる。
私はずっと孤独だった。家族がいても友達や彼がいても自分は一人なんだという感覚が消えることはなかった。
でも雅紀に出会い恋をして、二人の思い出が一つ増えると孤独が一つ消えた。
私を支配していた孤独を少しずつ取り除いて優しい気持ちで埋めてくれた。
そしてケンの存在。
友達でも雅紀でも埋めることのできない心の大切な部分を暖かくしてくれる人。
それが友情なのかと聞かれると全く違う感情だった。
『じゃあ雅紀がいなければ好きになってた?』
自分に問いかけてみる。
それも全くあり得ないことに思えた。
同じように大切な人なのに雅紀に対する感情は他の誰にも感じないもので、だからこそたった一人の彼氏という存在なのだろう。
恋ともう一つの感情だと思った。
昼間はいつも込み合っているこの道もこの時間になると数える程の車しか走っていない。
普段は喧騒が溢れているビル街もこの時間だけはゴーストタウンのようで、人々から忘れ去られた体温が感じられない世界に見えた。
そんな景色にふと自分だけが世の中から取り残され隔絶されているような圧倒的な孤独感に苛まれる。
私はずっと孤独だった。家族がいても友達や彼がいても自分は一人なんだという感覚が消えることはなかった。
でも雅紀に出会い恋をして、二人の思い出が一つ増えると孤独が一つ消えた。
私を支配していた孤独を少しずつ取り除いて優しい気持ちで埋めてくれた。
そしてケンの存在。
友達でも雅紀でも埋めることのできない心の大切な部分を暖かくしてくれる人。
それが友情なのかと聞かれると全く違う感情だった。
『じゃあ雅紀がいなければ好きになってた?』
自分に問いかけてみる。
それも全くあり得ないことに思えた。
同じように大切な人なのに雅紀に対する感情は他の誰にも感じないもので、だからこそたった一人の彼氏という存在なのだろう。
恋ともう一つの感情だと思った。