10年越しの恋
お盆が明けて私はまた仕事の毎日に戻り、雅紀はサークルの合宿やBBQなど忙しく学生最後の夏休みを満喫していた。
休み明けはさすがに仕事量が多く毎日少しつづ残業があってあっという間に金曜日だった。
箱の中に山積みにされた領収書から伝票を起こして経理ソフトに打ち込んでいるとHotmailの受信を知らせるPopUpが立ち上がった。
現場から急ぎの請求書発行依頼かと思って開くとケンからのメールだった。
『久し振り! 今日帰りにご飯でもどう?』
ケンとはもう1年近く会ってなかった。
気まずくて連絡出来ないでいたら東京に移動になってしまいあのまま会えないでいた。
待ち合わせの時間に間に合うようにダッシュで仕事を終わらせて更衣室に駆け込む。
帰りに遊びに行くなんて思ってなかったから朝適当な格好で家を飛び出したことを少しだけ後悔した。
ピンクのラルフのボタンダウンシャツにジーパンというなんともカジュアルな服装だったので、メークだけはと思って少しラメの入ったアイシャドーとマスカラをしっかりと塗り直して華やかさを演出した。
店の前に着くとガラス張りになったエントランスからケンの姿が見える。
少しだけ緊張して二の足を踏んでいると待ち合わせですか? と満面の笑みで迎えられた。
「ええ」
焼けた肌に茶色くぱさぱさした髪。こんな街中ではいわゆる丘サーファーにしか見えないウエーターに案内されて、ケンの待つ席へと向かった。
テーブルに近づくと大きなビアグラスを手にまさに今最初の一口を飲もうとしているところだった。
「お待たせ」
声を掛けると慌ててグラスから口を離してこちらを向いた。
「おー お疲れ様」
目が合うとやっぱり少しだけ照れくさくて開いた椅子に荷物を置くように視線を外す。
「なんか東京に行ってちょっとかっこよくなったんじゃない?」
そんな軽口を叩かないと真顔ではいられないそんな気持ちだった。
「私もビール。大ジョッキで」
運ばれてきたビールを一気に飲むとあっという間に緊張から解放される。
「乾杯忘れてるし」
「ほんとだ」
そう言ったケンと笑い合ってほっとした。
休み明けはさすがに仕事量が多く毎日少しつづ残業があってあっという間に金曜日だった。
箱の中に山積みにされた領収書から伝票を起こして経理ソフトに打ち込んでいるとHotmailの受信を知らせるPopUpが立ち上がった。
現場から急ぎの請求書発行依頼かと思って開くとケンからのメールだった。
『久し振り! 今日帰りにご飯でもどう?』
ケンとはもう1年近く会ってなかった。
気まずくて連絡出来ないでいたら東京に移動になってしまいあのまま会えないでいた。
待ち合わせの時間に間に合うようにダッシュで仕事を終わらせて更衣室に駆け込む。
帰りに遊びに行くなんて思ってなかったから朝適当な格好で家を飛び出したことを少しだけ後悔した。
ピンクのラルフのボタンダウンシャツにジーパンというなんともカジュアルな服装だったので、メークだけはと思って少しラメの入ったアイシャドーとマスカラをしっかりと塗り直して華やかさを演出した。
店の前に着くとガラス張りになったエントランスからケンの姿が見える。
少しだけ緊張して二の足を踏んでいると待ち合わせですか? と満面の笑みで迎えられた。
「ええ」
焼けた肌に茶色くぱさぱさした髪。こんな街中ではいわゆる丘サーファーにしか見えないウエーターに案内されて、ケンの待つ席へと向かった。
テーブルに近づくと大きなビアグラスを手にまさに今最初の一口を飲もうとしているところだった。
「お待たせ」
声を掛けると慌ててグラスから口を離してこちらを向いた。
「おー お疲れ様」
目が合うとやっぱり少しだけ照れくさくて開いた椅子に荷物を置くように視線を外す。
「なんか東京に行ってちょっとかっこよくなったんじゃない?」
そんな軽口を叩かないと真顔ではいられないそんな気持ちだった。
「私もビール。大ジョッキで」
運ばれてきたビールを一気に飲むとあっという間に緊張から解放される。
「乾杯忘れてるし」
「ほんとだ」
そう言ったケンと笑い合ってほっとした。