10年越しの恋
「電気消すよ」


寝る用意が済んだケンが声を掛けてくれる。


「うん」


真っ暗になった部屋の中で目を開けたまま天井を見上げた。


暗闇に目が慣れてくると小さなソファーをベット代わりに眠るケンの姿が目に入った。


「ねえ、まだ起きてる?」


「どうかした? 眠れない?」


「私ねケンのことも大好きなんだよ」


「突然どうした?」


「ケンも雅紀も大好きなのに何かが違うんだ」


ずっと感じていたことだった。

雅紀もさやもゆうもまさよもケンもみんなの事が大好きで同じように大切な存在。

なのにどうして雅紀には自分だけを見ていて欲しくて一人占めしたくなるんだろう?

他のみんなとはただ好きで仲良しで過ごしていけるのに、どうして雅紀とは好きなだけじゃダメなんだろうって思ってたんだ。


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