10年越しの恋
9月には雅紀の誕生日を祝った。
この日を二人で迎えるのももう7回目、出会ったあの日には17歳の少年だった雅紀がもう24歳になった。
私も12月には27歳になり、周囲は結婚ラッシュで1年で4回以上披露宴や2次会に呼ばれうれしいんだか悲しいんだか財布の中身だけが寂しい状態だった。
年が明けて2月14日、今年は偶然の土曜日。
年末に突然結婚すると連絡があったまさよの披露宴に出席する為に朝早くから美容院で髪をセットし、それなりのワンピースに身を包んで流行り始めたばかりの邸宅ウエディングが行われる会場へと向うことになった。
「記念日ウエディングって本人たちにとっては最高の日取りかもしれないけど招待される方としては微妙だよね」
とは同じく招かれたさやとゆうのコメント。
「まあまあそう言わないで楽しくお祝いしよう」
本当は一番愚痴りたいはずの私が二人をなだめることになった。
なぜ私が一番愚痴りたいかって?
友達の幸せを見るたびに『いつまで待てばいいんだろう』って悲しくなったから。
本当ならもう2歳の子供お母さんだったのにってね。
全く素直に祝えなかったんだ。
そんな自分の気持ちが表に出ないようにいつも前日は緊張して眠れなかった。
ましてや今回はスピーチの大役を任されている。
『次は瀬名の番だよ』って自分に言い聞かせて今日も人生で1番綺麗な笑顔で新朗と誓いのキスを交わすまさよを見守った。
教会を出て冬晴れの下ブーケトスが行われる。
「未婚の方! 恥ずかしがらずに前へどうぞ」
新婦の友人の年齢を考えろよ! って突っ込みたくなるほどのありふれた司会者の言葉にも張り切って最前列に並ぶさやとゆうの後ろにこっそりと隠れるように見守る。
私たちに背を向けたまさよから投げられた真っ白な花束は綺麗な弧を描いて階段の下で待ち受ける未来の花嫁の元に飛んできた。
歓声とともにそれを手にしたのは私だった。
「次は瀬名の番だね」
純白のドレスを纏ったまさよの笑顔がまぶしかった。
この日を二人で迎えるのももう7回目、出会ったあの日には17歳の少年だった雅紀がもう24歳になった。
私も12月には27歳になり、周囲は結婚ラッシュで1年で4回以上披露宴や2次会に呼ばれうれしいんだか悲しいんだか財布の中身だけが寂しい状態だった。
年が明けて2月14日、今年は偶然の土曜日。
年末に突然結婚すると連絡があったまさよの披露宴に出席する為に朝早くから美容院で髪をセットし、それなりのワンピースに身を包んで流行り始めたばかりの邸宅ウエディングが行われる会場へと向うことになった。
「記念日ウエディングって本人たちにとっては最高の日取りかもしれないけど招待される方としては微妙だよね」
とは同じく招かれたさやとゆうのコメント。
「まあまあそう言わないで楽しくお祝いしよう」
本当は一番愚痴りたいはずの私が二人をなだめることになった。
なぜ私が一番愚痴りたいかって?
友達の幸せを見るたびに『いつまで待てばいいんだろう』って悲しくなったから。
本当ならもう2歳の子供お母さんだったのにってね。
全く素直に祝えなかったんだ。
そんな自分の気持ちが表に出ないようにいつも前日は緊張して眠れなかった。
ましてや今回はスピーチの大役を任されている。
『次は瀬名の番だよ』って自分に言い聞かせて今日も人生で1番綺麗な笑顔で新朗と誓いのキスを交わすまさよを見守った。
教会を出て冬晴れの下ブーケトスが行われる。
「未婚の方! 恥ずかしがらずに前へどうぞ」
新婦の友人の年齢を考えろよ! って突っ込みたくなるほどのありふれた司会者の言葉にも張り切って最前列に並ぶさやとゆうの後ろにこっそりと隠れるように見守る。
私たちに背を向けたまさよから投げられた真っ白な花束は綺麗な弧を描いて階段の下で待ち受ける未来の花嫁の元に飛んできた。
歓声とともにそれを手にしたのは私だった。
「次は瀬名の番だね」
純白のドレスを纏ったまさよの笑顔がまぶしかった。