10年越しの恋
コースも終盤、メインの前にフレンチを模してのシャーベットが各自の前に運ばれた時に雅紀ママが何気ない感じ、独り言みたいに話し始めた。
「今日は来てくださってありがとう。あなたを傷つけてしまってごめんなさい、私とさえを許してもらえますか?」
突然の言葉にシャーベットを乗せたスプーンに手の震えが伝わって、みっともなくガラスの器の外にこぼれ落ちた。
どうすればいいのか全く分からなくて雅紀の方を向いたらいつものままだったから、私も素直に聞くことにした。
「もうあの日のことは…。 お腹に子供を宿してみてわかったことがたくさんあるんです。
私と雅紀君が華ちゃん…。あの子を守りたいって思ったようにあなたも自分の子供の一番を考えたんだろうって、そう思えるようになりました。同様にさえちゃんのことも。誰にも責めることなんてできないと思います。悔しくないか後悔してないかって聞かれればそれを全く否定はできないけれど、仕方がなかったんだって思っています」
「許してもらえるの?」
許してもらえる? そう素直に聞くことができる雅紀ママに驚いた。幸せな人だと思ったけど…。
「今日は来てくださってありがとう。あなたを傷つけてしまってごめんなさい、私とさえを許してもらえますか?」
突然の言葉にシャーベットを乗せたスプーンに手の震えが伝わって、みっともなくガラスの器の外にこぼれ落ちた。
どうすればいいのか全く分からなくて雅紀の方を向いたらいつものままだったから、私も素直に聞くことにした。
「もうあの日のことは…。 お腹に子供を宿してみてわかったことがたくさんあるんです。
私と雅紀君が華ちゃん…。あの子を守りたいって思ったようにあなたも自分の子供の一番を考えたんだろうって、そう思えるようになりました。同様にさえちゃんのことも。誰にも責めることなんてできないと思います。悔しくないか後悔してないかって聞かれればそれを全く否定はできないけれど、仕方がなかったんだって思っています」
「許してもらえるの?」
許してもらえる? そう素直に聞くことができる雅紀ママに驚いた。幸せな人だと思ったけど…。