10年越しの恋
「入院中一度も行けなかったし、1ヶ月ぐらいだよね? 連絡もしなくてごめん」
「そんなの全然。だって当たり前じゃない?大切な試験の1週間前にあんな騒動に巻き込んじゃって。あやまらないといけないのは私の方だよ。」
「いや、でも体の傷もそうだけど、瀬名がつらい時一緒にいてやれなかったし、支えてあげられなくて。俺最低だよな」
「そんなこと」と私が言い終わる前に。
「俺さ、くやしかったんだ。あのおやじ…。ごめん。浩一さんに予備校生で受験生で、そんなんじゃ瀬名を幸せにできないってそんな風に言われて。」
うつむいてせつなそうに話す雅紀。
「だからさ、せめて大検に合格するまでは瀬名に会わないでおこうって。だってさ、あいつ、あのおっさんの言うことちょっと当たってるから」
何も言えなかった。私の中途半端な態度が、浩一も、雅紀も傷つけた…。
最低だ…。そんなことを考えてたら泣きそうになった。
うつむいたまま、ストローでグラスをかき混ぜる。
琥珀色の液体と透明な氷が混ざり合ってきれいだ。
そうやって涙をこらえるのが精一杯。
そんな私をじっと見つめていた雅紀が話しを続けた。
「そんなの全然。だって当たり前じゃない?大切な試験の1週間前にあんな騒動に巻き込んじゃって。あやまらないといけないのは私の方だよ。」
「いや、でも体の傷もそうだけど、瀬名がつらい時一緒にいてやれなかったし、支えてあげられなくて。俺最低だよな」
「そんなこと」と私が言い終わる前に。
「俺さ、くやしかったんだ。あのおやじ…。ごめん。浩一さんに予備校生で受験生で、そんなんじゃ瀬名を幸せにできないってそんな風に言われて。」
うつむいてせつなそうに話す雅紀。
「だからさ、せめて大検に合格するまでは瀬名に会わないでおこうって。だってさ、あいつ、あのおっさんの言うことちょっと当たってるから」
何も言えなかった。私の中途半端な態度が、浩一も、雅紀も傷つけた…。
最低だ…。そんなことを考えてたら泣きそうになった。
うつむいたまま、ストローでグラスをかき混ぜる。
琥珀色の液体と透明な氷が混ざり合ってきれいだ。
そうやって涙をこらえるのが精一杯。
そんな私をじっと見つめていた雅紀が話しを続けた。