10年越しの恋
「二人のこと、あの騒動後にさやさんが話してくれたんだ。瀬名が泣いてばっかりの付き合いだったって…」

「話聞いて俺ちゃんとしようって思ったんだ。瀬名ずっと1人で強がってたんでしょ? もう強がらなくていいから。今度は俺が守ってあげるから。年下だし、大学だってまだこれから受験で、何者にもなれてないおれだけどさ。でも1人で泣かすようなことはしない。瀬名を悲しませるようなことはしないから。だからぜんぜんだめな俺だけど信じてついてきて。幸せにしてみせるから」

気付かない間に涙が止まらなくなっていた。
周りのたくさんの人の目も声も気にならないぐらい涙がでた。強がりな私は姿を消していた。
胸がいっぱいだった。

こんなに幸せでいいの? そう問いたくなるぐらい幸せだった。

「ありがとう」そう返すのが精一杯だった。

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