10年越しの恋

もう一つの思い

長い長い大学の夏休みも終わり、各学年ごとに指定された後期の履修登録日が新学期初日となる。

久しぶりの早起きは辛いよ~。そんなことを思いながら私はベットから出られずにいた。

♪プルルルル♪ まさよからの着信

「おはよ~ 早いね。って早くないか? 10時だもんね。どうしたの? 今日待ち合わせ13時だったよね?」

「ごめ~ん。まだ寝てた? 今日一緒に行こうって約束してたけど私急用が出来ちゃって、行けなくなったんだ」

「そうなの? じゃあ学校行けないんじゃない? 代わりに登録しとこっか?」

「今もう大学で、済ましたとこなんだ」

「そうなんだ。でも落ち着かない感じだよ? なんかあった?」

「いや、何にもないよ。ただの野暮用。そうそう混んでるよ~ 相変わらずのすっごい行列。今の時間でこれだから早めに行ったほうがいいよ」

やっぱり妙に早口なまさよ。

「そうなんだ~。さやにメールして待ち合わせ早くするよ。教えてくれてありがと」

「うん。じゃあね、ごめんね。さやによろしく言っといて」

ツーツーツー

了解! そう言おうとしたら電話はもう切られていた。

変なまさよ。そう思いながらさやへ ”まさよなんか用があるから先に済ませたって連絡あったよ。今回も教務部 激混みだって。待ち合わせ早くしよ!”

そうメールを送信し、勢いをつけベットから出た。

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