10年越しの恋
「あの騒動の日も実は浩一さんに会ってたんだ。
瀬名にもう一度会いたいって、辛そうで放っておけなかった。だから。3人で飲んでる場所を教えた」
「えっ?」思いもしなかった言葉に頭がついてこない。
「今日も、急に帰ってきてるからって電話があって…。瀬名と雅紀くんが本当に幸せそうにしてるの見たらちゃんと諦める事出来るから、そう言われて二人を探したんだ」
動揺する私の代わりに、雅紀が優しく相槌を打つ。
「でもあの日もあんなことになるなんて思ってなかったし、今日だってこっそり見るだけだからって」
申し訳なさそうに小さくなるそんなまさよを見て、胸が痛む。
「おっさん、どこまで最低なんだよ」
そう吐き捨てるように言う雅紀を制止するようにまさよが続ける。
「でもね、私、浩一さんのことずっと好きだったんだ。サークルで仲良さそうにしてる二人をずっと見てた。瀬名がうらやましかった。いろいろ愚痴ってても、それでもうらやましかったんだ」
切なげな声に秘めていた思いの強さを感じた。
「いつも二人を見ながら浩一さんの隣にいる自分を想像してた。ごめんね、裏切るようなことしちゃって。でも自分でもどうすることも出来ないぐらい好きなの…」
涙目で微笑むまさよ。
「もういいよ。もういいから。怒ってないよ。寂しかっただけ。だから話してくれてありがと」
私も涙で言葉に詰まる。でもがんばって笑顔を作った。ちゃんと伝えなきゃ、そう思ったから。
「今日の電話でなんか様子おかしかったから、心配してたの。ずっと我慢してたんだよね。そんな辛いまさよの気持ちに気付いてあげられなくってごめん」
そう言ったら涙が止まらなくなった。
一生懸命に自分の思いや気持ちをまさよが話す間、一度も何も言わず座っていた浩一。
そんな彼を初めての恋の相手に選んだまさよ。
それがいいのか悪いのかは私には分からない。
でも、どうすることも出来ないぐらい大好きだと言った顔は驚くほどきれいだった。だから私には祈ることしか出来ない。まさよが幸せになれますようにと。
瀬名にもう一度会いたいって、辛そうで放っておけなかった。だから。3人で飲んでる場所を教えた」
「えっ?」思いもしなかった言葉に頭がついてこない。
「今日も、急に帰ってきてるからって電話があって…。瀬名と雅紀くんが本当に幸せそうにしてるの見たらちゃんと諦める事出来るから、そう言われて二人を探したんだ」
動揺する私の代わりに、雅紀が優しく相槌を打つ。
「でもあの日もあんなことになるなんて思ってなかったし、今日だってこっそり見るだけだからって」
申し訳なさそうに小さくなるそんなまさよを見て、胸が痛む。
「おっさん、どこまで最低なんだよ」
そう吐き捨てるように言う雅紀を制止するようにまさよが続ける。
「でもね、私、浩一さんのことずっと好きだったんだ。サークルで仲良さそうにしてる二人をずっと見てた。瀬名がうらやましかった。いろいろ愚痴ってても、それでもうらやましかったんだ」
切なげな声に秘めていた思いの強さを感じた。
「いつも二人を見ながら浩一さんの隣にいる自分を想像してた。ごめんね、裏切るようなことしちゃって。でも自分でもどうすることも出来ないぐらい好きなの…」
涙目で微笑むまさよ。
「もういいよ。もういいから。怒ってないよ。寂しかっただけ。だから話してくれてありがと」
私も涙で言葉に詰まる。でもがんばって笑顔を作った。ちゃんと伝えなきゃ、そう思ったから。
「今日の電話でなんか様子おかしかったから、心配してたの。ずっと我慢してたんだよね。そんな辛いまさよの気持ちに気付いてあげられなくってごめん」
そう言ったら涙が止まらなくなった。
一生懸命に自分の思いや気持ちをまさよが話す間、一度も何も言わず座っていた浩一。
そんな彼を初めての恋の相手に選んだまさよ。
それがいいのか悪いのかは私には分からない。
でも、どうすることも出来ないぐらい大好きだと言った顔は驚くほどきれいだった。だから私には祈ることしか出来ない。まさよが幸せになれますようにと。