10年越しの恋
二人を乗せた車は真っ暗な高速道路を軽快に走る。
時折対向車から向けられる閃光のような明るいヘッドライト。
「どこ行くの?」ペットボトルのお茶を飲みながら尋ねた。
「秘密」そう言って車を走らせ続けた。
いくつものカーブを曲がり、山を抜ける。
空が白み始める頃、薄暗い駐車場に到着した。
途中買ったおにぎりの入ったコンビニの袋を手にした雅紀は車のドアを開け、大きく伸びをしながら外へ出た。
眠さに動けない私に「瀬名も降りておいでよ」
そう声を掛ける。
「海の匂いがするね」そう言いながら薄明かりの道を歩いた。
防風林を抜けると、太平洋を見渡せる海岸へとたどり着いた。
コンクリートでできた防波堤に軽くよじ登った雅紀の手を借り、横に座る。
「もうすぐ日が昇るよ」
視線ををあげるとまっすぐな水平線から太陽が顔を出し始めている。真っ暗で色のない海にオレンジ色に輝く光が反射する。
「付き合って今日で1年。今年もよろしく」
最高の贈り物だった。
時折対向車から向けられる閃光のような明るいヘッドライト。
「どこ行くの?」ペットボトルのお茶を飲みながら尋ねた。
「秘密」そう言って車を走らせ続けた。
いくつものカーブを曲がり、山を抜ける。
空が白み始める頃、薄暗い駐車場に到着した。
途中買ったおにぎりの入ったコンビニの袋を手にした雅紀は車のドアを開け、大きく伸びをしながら外へ出た。
眠さに動けない私に「瀬名も降りておいでよ」
そう声を掛ける。
「海の匂いがするね」そう言いながら薄明かりの道を歩いた。
防風林を抜けると、太平洋を見渡せる海岸へとたどり着いた。
コンクリートでできた防波堤に軽くよじ登った雅紀の手を借り、横に座る。
「もうすぐ日が昇るよ」
視線ををあげるとまっすぐな水平線から太陽が顔を出し始めている。真っ暗で色のない海にオレンジ色に輝く光が反射する。
「付き合って今日で1年。今年もよろしく」
最高の贈り物だった。