牛乳と猫スーツ。
そして沙羅は逆立ちし、足を180度開いて回転する。鎖の重さもあり、回転速度が徐々に増していく。
「(なるほど、仲間が近くにいれば使えない技か。攻めるなら真上か、鎖をくぐって下からか、しかし上には直樹…。普通なら下だな。)」
心の中で作戦を練り、蓮は沙羅へ向かって走る。そして鎖の手前で蓮はジャンプした。
「なっ!?上だと!??」
下から攻めてくると思っていた沙羅が驚く。
「沙羅!俺にかまうな!!」
蓮より上にいる直樹が叫ぶ。
「ちゃんとかわせよ大将!」
沙羅は腕に思いっきり力を入れて飛び上がる。鎖の回転力を利用して蓮に向かっていく。
「斬鎖閃空撃(ざんさせんくうげき)!!」
ヘリコプターのプロペラのように高速で回転する沙羅が蓮へ攻撃する。
「派生技(はせいわざ)か。普通、空中では無防備になる。だが、制空権は私にある。」
蓮はまるで足場があるかのように、空中で踏み込んで、さらに高く飛び上がる。
「嘘だろ!?空中でジャンプしやがった!!」
回転力を失った沙羅が墜ちていく。
「あまり驚かないな、直樹。私の行動を読んでいたか?」
直樹に近付いた蓮が言う。
「どんな不測の事態でも冷静に対処する。蓮さんが教えてくれたことです!」