牛乳と猫スーツ。
「小さい子が1人でいると危ないからだよ。」
「あやかはちっちゃくないよ!おんなのこは、がいけんよりおとななんだって、おねちゃがいってた!」
「(昔の話は聞いたけど、本当に小さい時の彩華さんはシスコンなんだな。)」
「ねぇ、だっこして!」
彩華が手を広げて言った。
「いいけど…。」
直樹は彩華をお姫様抱っこのように抱き上げる。
「なおき、いいにおいする。」
彩華が直樹に抱きつく。
「俺も結婚して子供ができたら、こんなふうに抱っこしてあげたいな。」
「なら、あやかがけっこんしてあげる!」
「え?あはは、嬉しいな。大きくなるまで待ってるよ。」
直樹は親になった気持ちで答えた。
「なおき、あるいて!たんけんしよう!」
「わかったよ、お姫様。」
彩華を抱っこしたまま直樹は歩き出した。
「直樹〜!」
後ろから名前を呼ばれて直樹は振り返ると、遥が走ってきていた。
「エリーゼが優華と一緒にどっか行っちゃったのよ…。」