牛乳と猫スーツ。
2人の周りが、プリクラでキラキラのラインで縁取りしたかのように光り輝く。
「フン。」
呆気にとられる遥を見下ろしながら、口を三日月の形に歪め、勝ち誇った顔で彩華が鼻で笑う。
「も、もういいわ……。」
フラフラと、たまに壁にぶつかりながら遥は歩き去った。
「なおき、しゅっぱ〜つ!」
彩華の元気な声と共に、直樹は歩き始めた。
「(菫さんは注意しろって言ってたけど、彩華さんは彩華さんのままだな。少し遊んで、知佳さんに元に戻してもらおう。)」
……………………。
……………。
……。
直樹と彩華は遊びながら校内を探検して、生徒会室へ向かっていた。
「うわぁぁぁぁ〜〜〜ん!!」
急に泣き声が聞こえ、周りを見渡してみると、前から彩華によく似た女の子が走ってきた。
「ゆうかだ!」
「え?あの子が優華さん?」
「ねぇさ〜ん!」
優華は彩華に近付こうと、何度もジャンプするが届かない。
「なおき、ゆうかをだっこしてあげて!」
「うん、いいけど。」
彩華を右腕で抱え、優華を左腕で抱き上げる。