牛乳と猫スーツ。
「この店のサンドイッチ、おいしいのよ。学食のもなかなかイケるけど、私はこっちをオススメするわ。」
遥が自信満々に話すのを見て、直樹は楽しみになった。3分くらいして、店員がサンドイッチを持ってきた。
「これ、おいしい。」
生ハムサンドを一口食べた直樹が言うと、遥は嬉しそうに微笑んだ。
とてもおいしいサンドイッチはすぐに食べ終えて、2人は雑談しながらコーヒーを飲んでいた。
不意に煙が2人のテーブルに漂ってくる。タバコの煙だが、それは甘いにおいだった。
「このにおい…。」
そのにおいに覚えがある遥は、後ろを振り返った。
そこにはニヤニヤして遥を見ている円がいた。
「どうし――――」
「せいっ!!」
「ッ〜!??」
遥に弁慶の泣き所を蹴られて、直樹はテーブルに突っ伏す。
「楽しそうね〜♪」
円が灰皿を持って遥の隣に移動してくる。
「何で来るんですか、お姉様…。」
「いいじゃない。ちょっと蓮と会う約束してるんだけど、来るの遅いのよ〜。それより〜デート?付き合ったの?もうヤッたの?できちゃった?」
円はどんどん遥に詰め寄る。
「デートですけど、付き合ってません…。」
あつかい辛そうに、遥は窓の外を見ながら答える。
「確か鳳凰学園の…。」
足の痛みに耐えながら直樹が口を開く。
「ええ、鳳凰学園生徒会長の神谷円よ。いつも妹がお世話になってま〜す♪」
ウィンクして言う円。