牛乳と猫スーツ。
少しブルーな直樹を見て、遥は手を引いて走り出した。
着いた先は映画館だった。
「映画でも見て、気分変えましょ!」
2人はチケット売り場に行く。しかし、どれも始まったばかりで数時間待ちだった。
「どれも待たないとダメだな。」
「1つだけイケるみたいよ。」
遥が指差す先には上映5分前の作品があった。
「それにしよう。このチケット2つ。」
直樹がチケットを買い、遥は飲み物とポップコーンを買って、2人は中へ入って行った。
「かなり入ってる、それに男の人が多いわね。」
「そうだな……ん?遥、これアニメみたいだ。」
直樹がチケットに印刷された題名を遥に見せる。そこには『直球勝負』という題名で、隣にはアニメーションと書かれていた。
「ゴメン、直樹。私がちゃんと確認しなかったから…。」
「気にしてないよ、それにこんなに人が多いならおもしろいんじゃないかな。」
笑って言う直樹に、遥は安心する。
数分が経ち、映画が始まった。映画の内容は、野球未経験者が甲子園を目指すストーリーだ。
前半はギャグがあり、笑い声が聞こえる。クスッと笑ったり、2人で顔を見合わせながら笑った。
「声優が豪華ですネ!」
「本当ですね〜。」
「ッ!?」
後ろから聞き慣れた声が聞こえて、遥は振り返る。