牛乳と猫スーツ。
【龍堂学園・生徒会室】
そこには1人、新聞を読んでいる者がいた。不意に机に置かれていたケータイがバイブレーションと共に、最初から使える着信音が鳴る。
「はい、もしもし?」
『沙織、遥だけど。緊急事態なのよ…。』
遥が小さい声で話す。生徒会室にいたのは沙織だった。
「なんだい?直樹にホテルにでも連れ込まれたか?」
『違うわよ!映画館に来たんだけど、エリーゼと優華がいるのよ!今日の休みは私だけじゃなかったの!?』
「ああ、昼からの予定が変更になってね。そういえば2人はアニメの映画を見に行くと言っていたな。」
新聞を丁寧に折りたたんで机に置き、隣のキッチンがある部屋に歩いていく沙織。
『バレたら殺されるわ!何かバレずに済む方法はない?』
「なぜデートで殺されるんだ…。」
やかんに水を入れて、コンロに火をつける。
『いいから教えなさいよ!軍師でしょう!?』
「逢引(あいびき)程度で軍師が必要とは…。見つからなければいいんだろう?直樹か2人を眠らせろ。」