牛乳と猫スーツ。
「やりすぎたぁ〜!?」
がっくりと肩を落とし、泣きながら映画を見ようとしたときだった。左肩に重みを感じたので見てみると、直樹がもたれかかっていた。
「まあ、いいかな。」
クスッと笑って、遥は映画を見た。
……………………。
……………。
……。
「ゴメン、遥。気づいたら寝ちゃっててさ。」
「いいよ、別にぃ…。」
遥は泣いていた。
「そんなに感動したの?」
「うん…。素人の3年生が甲子園を目指して頑張ってたんだけど、最後に必要人数が9人ってことを知らなくて、夢を諦めたの……。」
「え?それで感動したの?」
「そうよ…。感動しないの?」
「い、いや、感動するね!」
否定するとさらに泣きそうな気がして、直樹は全力で頷いた。
「次はどこ行く?」
「えと…。ボーリング。」
…………………。
…………。
……。
【ボーリング場】
カコーンとピンが弾かれる音が四方から聞こえる。
直樹は12ポンドのボールを持ち、構えて投げる。かなり速いスピードで真ん中を走り、全てのピンを弾き飛ばす。
「うまいわね、直樹!」
遥がパチパチと手を叩く。
「いやいや、前に蓮さんと行ったときに、地獄の特訓をさせられたから…。」
いきなりテンションが下がる直樹。