牛乳と猫スーツ。
「また何か用かい?」
『風紀のバカップルがボーリング場にいるんだけど。』
「いてはいけない決まりでもあるのかい?付き合っているのだからデートに来るさ。」
マッサージチェアのパワーを弱にして全身揉みほぐしコースのボタンを押す。
『そうじゃなくて!休みがかぶりすぎよ!!私への嫌がらせ!?』
「いや…私には、君が嫌がらせをしていると思うん―――――」
『もういい!私の前に立ちはだかるヤツは、誰だろうとデストロイよ!!』
ブチッと遥からの電話が切れた。
「やれやれ、青春してるね〜。」
パワーを弱から強にする。
「うぁ、ぁああ……んっ!」
留守番をマッサージチェアで楽しむ沙織だった。
…………………。
…………。
……。
沙織との電話を切り、ケータイを持った手に力を入れる。パキッと音がして、ケータイのフレームにヒビが入った。
「上等じゃない…。やってやるわ!」
近くにあった15ポンドのボールを持ち、大きく振りかぶる。