牛乳と猫スーツ。
「なぜだ!?たたが下着だろう?靴下3枚セットがあるなら買うだろう?」
「女性の場合、靴下とパンツは違うんじゃないですかね。」
「男になってたときがあったし、元々興味が無いから。まあ、直樹がいることだし、選んでくれ。」
蓮の言葉の意味を理解するのに、直樹の脳は数十秒かかった。
「えぇぇぇぇぇ!?俺が選ぶんですか!??」
飛び跳ねながら驚く直樹。
「ああ。前に優華が見られても恥ずかしくない物がいいと言っていたからな。ちょうどいいじゃないか。ほら、この店だ。」
蓮が入ったランジェリーショップの前で、直樹は立ち尽くす。
他にも女性客がいるし、まず直樹はこういう店に入ったことがない。昔、美樹に連れてこられたが、店には絶対に入らなかった。
「直樹〜?」
店の中から蓮が呼ぶ。直樹は大きな溜め息を吐いて、店へと入って行った。
「優華に、たまには黒以外にしたらと言われたんだが、私個人としては黒が一番だと思うんだ。」
「そうですか…。でも確かに、たまには他の色にしてみてもいいかもしれませんよ。」
他の女性客の視線を気にしながら、直樹は答える。
「例えば何色がいい?」
「え!?」
選んでくれと言われてわかってはいたが、いざとなるとやはり恥ずかしくなる。
目の前にある下着を見ていくだけで心臓が破裂しそうになる。