牛乳と猫スーツ。
「ひ、ひひひひ人目があるんですから、思いっきり開けないでください!」
慌ててカーテンを戻す直樹。
「裸じゃないんだから、そんなに気にすることはないだろう。」
「気にしてください!!」
カーテン越しに話す2人。
「わがままなヤツだな。なら直樹が入れ。」
にゅっとカーテンの端から蓮の白い腕が伸び、直樹の腕を掴んで更衣室へ引きずり込む。
「どうだ?似合ってるか?」
左手を腰に当てて立つ下着姿の蓮は、このまま雑誌に載ってもおかしくないくらいに綺麗だった。
「はい。いいと思います。」
嘘偽りない言葉だった。
「そうか、ならこれにしよう。」
ニコッと笑う蓮を見て、直樹はドキッとする。
「(どうして心臓の鼓動がこんなにも速くなるんだ…。下着姿だから?2人きりだから?いや、どちらにしても………蓮さんだからじゃないか。)」
胸に手を当てながら、直樹は心の中で呟く。
「(俺は……蓮さんのことが…。)」
『好き』という二文字が頭に浮かぶ。
「(いやいやいや、落ち着け俺!蓮さんは姉のような存在だぞ?綺麗で強くて、憧れだけど。でも夢に出てくる女の子が…。)」
永遠にループしそうな問題に、直樹は頭を悩ませる。
ポトッ。
「ん?」
音がした方を見る。
そこにはピンクのブラジャーが落ちていた。