牛乳と猫スーツ。
「(ま、まさか…。今、上を見上げれば、2つの国産メロンにお目見えできるのでは!?)」
直樹は視線を蓮の膝まで上げる。
「(いや、ちょっと待て阿部直樹!いくら蓮さんに羞恥心がなく、さらに信用に付け込んで胸を見ようなんて、男のすることじゃないだろ!!)」
思いとどまり、直樹は視線をブラジャーに戻す。
「ん?」
直樹の目がブラジャーのタグに止まる。
「(Gィィィィィィ!??ABCDEFGの『G』か!?マジか!?神か!?GODか!!?)」
直樹は視線を蓮の太ももまで上げる。
「(待て!待てよ阿部直樹!確かに見上げれば神がいるかもしれない。だが!だがしかし!その神は俺に微笑んでくれるのか?よこしまな気持ちを持った俺を、神は許してくれるのか?否(いな)!許すはずがない!これは許されざる行為だ!!)」
邪念を振り払い、直樹はまた視線をブラジャーに戻す。
スルリ。
「ん?」
また音がするとブラジャーの隣に同じ色のパンツが落ちた。
「(ま、ままままままま、まさかぁ〜!?今、上を見上げれば、未だ本やDVDでしか見たことのない、あの場所を見ることができるのでは!?そこは男にとって、向かうべき場所…いや、サンクチュアリ!俺は今、試されている!!)」
見上げようとしたとき、肩をポンと叩かれる。振り返ると、そこには白い衣を身にまとう、自分そっくりの天使だった。