牛乳と猫スーツ。
「何だったんだ…?」
不思議な二人組に直樹は少し混乱した。
「直樹。参考書見つかった?」
蓮が後ろから、選んだ数冊の参考書を左手に持って歩いてきた。
「いや、すいません。まだなんです。」
「何持ってるんだ?」
直樹の持っていた本を見る。
「組み手の指南書か?」
「え!?いや、これは違うんです!!」
本を空いていたスペースに投げ入れる。
「そうか。まあとりあえず、わかりやすいのを選んでみたんだけど。」
「ありがとうございます!」
直樹は蓮に抱きつく。
「そんなに嬉しいことなのか?」
「はい!」
「やれやれ、子供だな。」
………………。
…………。
……。
【龍堂学園】
いつの間にか空はオレンジ色に変わって、帰ってきた2人は寮に向かって歩いていた。
直樹は隣を歩く蓮を見る。夕日に照らされる蓮はとても綺麗だった。
「ん?どうかした?」
「いえ、その……見とれてて…。」
「何に?」
首を傾げる蓮。
「蓮さんにです。」